
施工前は、外壁にクラック(ひび割れ)やチョーキング(外壁を触ると外壁の塗料の粉が手につくこと)をしていました。
外壁にクラックやチョーキングが起こっていると塗膜が劣化している証拠になります。
クラックやチョーキングを放置していると外壁からの雨漏りが起こる可能性があります。
なので、外壁塗装を行いました。
施工中の様子

足場設置
外壁塗装を行う為、最初に足場を組み立てて行きます。
転落しないように気を付け危険がない様に、安全面を徹底的に行い足場を組みます。
足場設置の必要性について
外壁や屋根などの高所で作業を行う場合、脚立では作業できない高さです。
その為に足場が必要になります。
足場を設置することにより、足場が安定するので職人さんの安全が確保できます。
建設業での死亡事故の約4割が、墜落・転落事故です。
墜落・転落事故を防ぐ為にも足場設置が必要不可欠になります。
その他にも、塗装する際に細かい部分の作業がしやすくなる為、塗装の塗りムラが減り、作業の品質が安定します。
足場を設置することで、塗料などの飛び散りを防ぐ飛散防止ネット・防音ネット・防塵ネットを張ることで、ご近所さんの被害やクレームを最小限に食い止めることが出来ます。

高圧洗浄
足場組立の次は高圧洗浄を行います。
洗浄を行い外壁の汚れや埃を落としていきます。
塗装前に高圧洗浄が必要な理由
外壁塗装や屋根塗装などの際に高圧洗浄を行う理由について説明していきます。
外壁塗装・屋根塗装・外壁カバー工法などの作業前に高圧洗浄を行います。
高圧洗浄の作業は、外壁細部のチェック・防水の養生・水道代・乾燥などの作業時間と負担が高い工程です。
ですが、仕上がり時に大きく影響が出るので必ず必要になります。
高圧洗浄の必要性について
塗装された外壁の表面にできた塗膜は、古くなっていたり雨風雪などにさらされているので年月を重ねて劣化していきます。
劣化した塗膜は、少しずつ粉化し、触ると白い粉が付着するようになっていきます。
この現象をチョーキング現象と言います。

チョーキング現象が起きてしまった外壁の上に塗装を行っても、古い塗膜が邪魔になり剝がれやすくなってしまいます。
新たな塗装をしっかり定着させる為には、古い塗膜・汚れ・カビ・錆などを高圧洗浄でしっかり取り除くことが重要です。
高圧洗浄作業は仕上がりも変わる
外壁塗装の際、足場設置が完了したら塗装前に高圧洗浄を行います。
高圧洗浄のみで取れない汚れは、薬剤などを使用し、削ぎ落します。

養生
高圧洗浄の次は養生を行います。
塗装を行わない部分に塗料が付着しない様に養生を行います。
養生とは
塗装工事における養生とは、外壁や屋根などを塗装する際に、塗装する部分以外の場所に塗料が付かない様に養生ポリシート・ビニールシート・マスカー・布テープ・マスキングテープを使用し、覆い保護する作業になります。
養生作業がしっかり行うことにより、塗料の飛散事故を防ぎ、塗装作業の効率を高め、高品質な仕上がり感を確保することができます。
塗装養生は、塗装が完全に乾く前に手早く綺麗に取り外す必要があります。
塗料が完全に乾燥した状態で養生を捲ると、養生テープについた塗料が固まっているので、養生が取りづらくなる・養生のマスキングテープと一緒に塗料面の乾燥した塗料が剝れる・養生テープのノリが被着体であるサッシなどに残ってしまうことがあります。
なので、塗装の施工内容から適切な養生作業が、塗装の仕上がり感を大きく左右させる重要な作業です。
養生しないで塗装工事をした場合
塗装工事における養生作業の目的は、塗料の飛散や汚れを防ぐことです。
塗装工事を行っていると、どうしても塗料がベランダの手すりに垂れる・サッシの枠に塗料がつく・塗らなくていい部分にまで、塗料がついてしまう事があります。
そのような場合は、塗装後にシンナーや剥離剤などを使用し掃除する必要があります。
汚した部分の塗料を落とすのに大変苦労しますし、場合によっては塗料の汚れが取れない場合や塗装をしない部分に傷をつけてしまう場合もあります。
また、塗装が必要な部分と塗装しない部分などといった境目(取り合い部分)をきっちり塗り分けることができません。
その結果、、本来塗らなくていい部分にまで塗料が付いてしまって、塗装工事の仕上がり
が汚くなってしまいます。
なので、養生作業はベテランの職人でも必ず行っている塗装工事の必須となっている作業です。
塗料の飛散が大きなトラブルになる場合があります。
塗料の飛散が周囲に飛んだとしてもお客様の敷地内であればいいですが、近隣の建物・車・庭の植木などに塗料が付着してしまった場合、近隣トラブルになることもあります。
そうなった場合、塗装工事以外にも汚損に対する弁償など時間や費用が掛かってしまいます。
飛ばしてしまった職人、塗料で汚された近隣の方がお互い気分が悪くなってしまいます。

コーキング打ち(シーリング)
養生の次はコーキングを打っていきます。
コーキングの役割と重要性について
防水性
サイディングボードのつなぎ目やサッシ周りにピッタリと密着していることで、雨を家の中に侵水させることなく防水する機能があります。
耐久性
地震の揺れや夏の暑さによる熱膨張が起きてサイディングやサッシに動きが出ても緩衝材となるので耐える機能があります。
コーキング材が良い状態であればあるほど、この機能がしっかり発揮します。
コーキングが劣化すると外壁の寿命が縮む
コーキングが劣化していると外壁自体の寿命が縮んでしまいます。
防水性や耐久性が失われた場合、外壁自体を雨や揺れから守れなくなり、ボロボロになってしまいます。
コーキングの隙間から雨水が侵入した場合、外壁材を傷めて崩れてしまうことがあります。
同じくサッシ周りから水が侵入した場合、雨漏りや木材を腐らせてしまう原因となり、修理に莫大な費用が掛かります。
最悪の事態から守ってくれる役割をしてくれるのがコーキングです。
コーキングの劣化症状と対策について
コーキングの劣化症状は5年~10年で必ず起こります。
肉痩せ・ひび
肉痩せやひびは、コーキングが劣化して厚みや弾力がなくなる劣化症状です。
今すぐコーキングをし直さなければいけない訳ではありませんが劣化の初期症状になります。
・肉痩せ・ひびが起こる時期
5年~6年
・原因
経年劣化でコーキングの表面が溶け出して厚みが減っていきます。
太陽の紫外線による劣化でひびが起きます。
・対策
状態が良好なら経過観察かコーキングを上から充填する増し打ちを行います。
剥離
剥離とは、コーキングの接面部分が剥がれて隙間が空いている状態のことです。
経年劣化が原因であれば、施工不良の場合もあります。
隙間が空いていると、雨水がつたって家の中に侵入してしまう為、対策が必要となります。
・剥離が起こる時期
6年~
・原因
経年劣化が原因となります。
その他にも、プライマーという接着剤が不足によることが原因で剥離を起こしていることがあります。
3面接着という施工不良で剥離していることがあります。
外壁の動きにコーキングが耐えられなかったことで剥離することがあります。
・対策
コーキングの打ち替えが必要になります。
破断
破断とは、コーキング自体が裂けて中が見えてしまう状況です。
コーキング自体の劣化が主な原因でかなり割れてしまっている状況だと、新しいコーキングを早めに打ち替えしないと住宅の内部まで傷める原因になります。
・破断を起こす時期
6年~
・原因
経年劣化とコーキング材の厚み不足によることが原因で破断が起こります。
・対策
コーキング打ち替えを行う必要があります。
厚みがしっかり確保できる状態か確認し、万が一、初期の施工方法では難しい場合はブリッジ工法で対応します。
欠落
欠落とは、コーキングが既に剝れ落ちてなくなってしまっている状態です。
経年劣化や稀にプライマーという接着剤の不足による施工不良で起こります。
欠落してしまっていると、守るものがなにもない状態なので早急な対応が必要
になります。
・欠落が起こる時期
7年後~
・対策
コーキングの打ち替えが必要になります。
既にコーキングの役割を果たしていないので、早急に工事を行う必要があります。
黒ずみ
黒ずみは、塗装をした後なのに、コーキング部分だけが汚れて黒っぽく見えるものです。
適切なコーキング材を使用していれば汚れて黒っぽくは見えませんが、相性を誤った材料の使用や悪い施工方法が原因で起こります。