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破風板(はふいた)・鼻隠しの役割や劣化症状について説明します!!



破風板とは

破風板とは、屋根の側面に取り付けられている板になります。

屋根の裏側の側面を破風と呼ぶことから名付けられました。


ケラバと破風板は混同されることがありますが、ケラバは材木の名ではなく破風板などがついている部分のことを言います。


その他に間違われやすいのが鼻隠しです。

破風板との差は雨樋が付いているか、付いていないかの違いです。

鼻隠しは雨樋が付いていますが、破風板にはついていません。


鼻隠しとは

鼻隠しとは、軒先に取り付ける横版です。

垂木と呼ばれる屋根の枠組みの縦軸先端部分の切り口を隠す為取り付けられた部材です。

垂木の先端を建築用語で鼻と呼ばれているので、この部材は鼻隠しと呼ばれています。



破風板(はふばん)の役割とは


強風対策について

破風板は強風対策の役割があります。

屋根は上方向から吹く風は強いと言われています。

ですが、横や下からから吹き付ける風には弱いです。

なので、強風の際に屋根が吹き飛ばされない為に、ケラバに破風(はふ)が取り付けられています。


雨漏り対策について

破風板は外壁に当たる雨水を減らして、屋根の内部への雨水の侵入を防ぐ役割があります。

屋根に雨水が侵入した場合、雨漏りの原因になります。

雨漏りをしにくくする目的でも、破風板は取り付けられています。


防火対策について

破風板は、屋根への延焼を抑制する効果もあります。

建物の火災は火元から始まり、下から上へと燃え広がる傾向があります。

屋根裏は防火対策がされていないので無防備な状態となっている為、破風板があることで下から上がってきた炎が屋根裏まで燃えるのを防いでくれます。


鼻隠しの役割とは


屋根の強度を上げる

垂木同士を繋ぐ役割をしているので、屋根の強度が上がる効果があります。


見栄えが良くなる

1番の目的は屋根の垂木の切り口を隠し、見栄えをよくすることです


垂木の腐食の防止

垂木の鼻といわれる切り口は、水分を吸収しやすいので、その小口を鼻隠しで覆うことで垂木の腐食を防止します。


雨樋野取り付けの為

鼻隠しは見栄えの他に、雨水処理に必要不可欠な雨樋を取り付ける重要な部位です。



美観について


破風板の機能は見た目の美しさもあります。

破風板を付けることで屋根の側面が見えなくなり、美しさが向上します。


破風板は切妻造(きりづまづくり)や入母造(いりもやづくり)に目立つパーツです。


破風板の材質の種類について


木材系



木材系の破風板は、木材用の塗料を塗布して使用されます。

原料は主にスギです。


木材系の破風板は一般的な材料でしたが、近年では減少傾向にあります。

木材系の破風板が減少している理由は、他の材料に比べて防火性や耐久性が低い為です。

木材は、伸び縮みにより塗装が剝れやすいこともデメリットです。


金属系


金属系の破風板の材質は、ガルバリウム鋼板が一般的です。

ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金で鉄をコーティングしたものをいいます。

見た目が美しく耐久性にも優れているので、使用されることが多い材質です。


金属系の破風板は、火事の際に延焼を起こしにくいですが、水分により錆びるリスクもあります。


窯業系

窯業系の破風板は主にセメント等の複合材です。

セメントは吸水性が高いので、専用の塗料を塗って使用します。

塗料が劣化すると破風板内部に水が侵入する為、数年に1度再塗装が必要になります。


耐久性と耐火性に優れた材料なので、近年利用が増えている破風板の素材となります。


その他の破風板

プラスチック(ポリ塩化ビニル)製の破風板は、軽量で耐久性が高いという特徴があります。

プラスチック製の破風板は、熱に弱いので、照り返しの熱で変形してしまう恐れがあるので、施工事例が多くはありません。


モルタル性の破風板は、下地の上にモルタルを塗って仕上げます。

外壁がモルタルで出来た建造物に多いですが、モルタルの外壁の建物自体が減少していることにより、近年では施工